林業を始めることに対する、心配の言葉。。
悪気はない。心配してくれているのも分かってる。
でも、ちょっと悔しい気持ちになります。
この時代に林業を始めようなんて、凄いね〜。。大丈夫??
みたいに心配されることが多いけど、本当にそうかな?
一歩間違えば死ぬ業界で、技術と知識が無いとやっていけない参入障壁がある。でも、競合他社は少ないブルーオーシャンなんじゃないかな??…
— こばけん| 林業
コバウッズ (@5884kenta) June 6, 2025
林業への心配の声
確かに、林業といえば「危険」「儲からない」「時代遅れ」
──そんなイメージがあるのも無理はありません。
親しい人から心配されるのもありがたいことだし、実際、命に関わる現場もあります。
僕自身、木を倒す現場でヒヤリとした経験もあるし、決して楽な道じゃないとわかっています。
でも、本当にそれだけで終わらせていいのかな?
危険だからこそ、専門性が求められる。
参入障壁が高いからこそ、競合が少ない。
2020年の林野庁データによると、林業従事者の平均年齢は 52.1歳 です。
これから、高齢者がフェードアウトしていき、ますます林業従事者は減っていきます。
つまり、林業には“ブルーオーシャン”とも言える可能性が広がっているのではないか??
この記事では、「林業=危ない・厳しい・儲からない」というイメージを、
少し違った角度から見直してみたいと思います。
林業の「危険性」と「参入障壁」
林業は、やっぱり危険な仕事です。
木を伐る。山で作業する。チェーンソーを扱う。重機を動かす──
どれも一歩間違えば命に関わる現場であり、「誰でも気軽に始められる仕事」ではありません。
実際、林業における労働災害の発生率は、全産業の中でもダントツで高い水準にあります。
斜面での作業や重い木材の運搬、天候による影響など、不確定要素が多いです。
だからこそ、安全に作業を行うための技術と経験が求められる。
私は、その基本的な学びを、森林文化アカデミーに2年間通いながら学んできました。
この「危険性」は、ネガティブに見られがちですが、
裏を返せば林業は専門性の高い仕事であり、だからこそ参入障壁が高いとも言えます。
林業従事者の平均年齢は、2020年時点で約52歳(林野庁調べ)。現場作業に絞っても44.5歳前後と、若者がまだ少ない業界です。
つまり、若くて体力があって、意欲のある人が飛び込めば、一気に主力になれる可能性がある。
他の業界では考えられないスピードで、自分の立ち位置を築いていける。
林業には、そんな土壌があると思っています。
もちろん、林業を始めるには免許や研修、初期投資など、乗り越えなければいけない壁がいくつもあります。
でも、それを乗り越えられた人にしか見えない景色がある。
そこにこそ、林業の“ブルーオーシャン”としての魅力があると僕は感じています。
林業は本当に“儲からない”のか?
「林業って儲からないんでしょ?」
……たしかに、そう思われても仕方のない現実もあります。
でも、それだけじゃないんです。
確かに、今の日本の林業は、素材生産(=木を伐って市場に出す)だけで稼ぐのは至難のわざです。長年放置されてきた人工林、木材価格の低迷、山林の分散と所有者不明問題……課題を挙げればキリがありません。
でも、実際に林業で食べている人は存在するのです!やっていけているんです。
さらに、僕がこれから目指しているのは、従来の林業スタイルと少し違ったアプローチを加えようとしています。
「木を伐ること」だけに頼らない林業。
言い換えれば、『森の価値を多角的に活かす“新しい林業”』です。
たとえば──
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森での体験イベントや、林業の現場を学べるワークショップ
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森で採れた素材を使った特産品の開発と販売
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ドローンやITを活用したスマート林業
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SNSやnoteなどのメディア発信による情報価値の創出
こうした一つひとつは、小さな収益かもしれません。
でも、それらを「組み合わせていくこと」で、これまでにはなかった“森で生きる道”が開けてくると感じています。
林業という仕事を「伐って終わり」にせず、森の価値を“届ける”ところまで自分たちの手でやっていく。
その発想次第で、林業は決して「儲からない産業」ではないと僕は思っています。
ブルーオーシャンとしての林業
林業の世界に飛び込むと、「人が少ないな」と実感します。
それはつまり、ライバルが少ないということでもある。
自分は、こばけんというキャラで林業や里山暮らしについてブログを書いたり、
エックスで発信を頑張っています。すると、林業関係の講演会やイベント会場にいったときに、
「こばけんさんですか?ブログ読んでます。応援しています。頑張ってください!」
なんて嬉しい言葉をかけてもらえることもたまにあります
他の業界では、若くて未経験の人が何か新しいことを始めようとしても、すでに同じことをやっている企業やプレイヤーが山ほどいて、勝負する前から競争に巻き込まれてしまう。
でも、林業の世界には、まだ誰も手をつけていない分野やアプローチがたくさんあるんです。
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自分のアイデアをすぐにカタチにできる
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仲間を巻き込みやすい
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発信すれば注目されやすい
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地域や行政とつながって、新しい価値をつくれる
もちろん、簡単に稼げる世界ではありません。
だけど、自分の手で道を切り拓いていく実感がある。
そしてそれが、森という「未来につながる資産」を相手にできる仕事なんです。
だからこそ、林業は「危ない」「儲からない」「古い」といったイメージで語られるだけでは、もったいない。
僕にとっては、誰も見ていないからこそ、自分の色を出していける。まさにブルーオーシャン。
気候変動危機が冗談じゃなく本当に自分たちの生活を脅かす時代に突入しました。
ネイチャーポジティブという文脈もこれから社会全体が本気で取り組み、資金流入もどんどん増えてくると思っています。
その時に、本質的なアプローチとして林業の価値は高まり続けると私はふんでいます。
そんな時代が、もう始まってる。
“林業やるなんて、大丈夫?”って言われたけど
「この時代に林業をやるなんて、すごいね〜……大丈夫?」
僕はこれまでに、何度もこの言葉をかけられてきました。
正直、悪気がないことは分かっているし、心配してくれている気持ちも伝わってきます。
でも、最初は悔しい気分になります。
まるで、「林業=未来のない選択肢」と言われているような気がして。。
でも自分は心の中で、こう叫んでいます。
「いや、むしろこれからの時代こそ、林業が“必要とされる仕事”なんだよ!」
山が崩れる。水が濁る。生き物が減る。
その背景には、「人の手が入らなくなった森」の存在があります。
僕はそこに入り込んで、手をかけて、森の力を取り戻す仕事がしたい。
そしてその価値を、きちんと社会に届けていきたい。
安心・安全な暮らしに貢献したい。
もちろん、収入も不安定だし、体力も使うし、簡単じゃない。
でも、「誰もやらないから、自分がやる」って言えるフィールドがここにはある。
この森で生きていく未来に、自分は希望を感じているから。
まとめ
林業は、決して楽な道ではない。
でも、だからこそ挑む価値があるし、僕はこの仕事を、誇りを持って続けていきたい。
まだ道の途中。でもだからこそ、学び続ける毎日が楽しい。
この森で、生きていく未来を信じて。。