書評

大手メーカに8年間勤めた元機械エンジニアが『エンジニアとしての生き方』を読んで感じたこと

2021年11月18日

やりがいのある仕事に就き、豊かな生活を送れるようにする責任は自分自身にある。

 

一生涯続けたいと思えるやりがいのある仕事(生業)を見つけたく!

大手メーカーを退職しました。こばけんです。

 

今回は、初めて書評ブログを書かせていただきます。

書評というか、この本を読んで特に印象に残った項目を抜粋して、私自身の経験を交えた意見を書かせていただきます。

 

今回、読ませていただいた本は、こちらっ!!

エンジニアとしての生き方  IT技術者たちよ、世界へ出よう!

著者:中島 聡

 

私は機械エンジニアとして8年間勤めた会社を退職し、ITエンジニアになるためにプログラミングについて勉強中の身です。

ITエンジニアを目指すにあたって、是非読むべき本であるという紹介を受けたので、この本を手に取りました。

 

 

概要

 

プログラマーとしての人生をどう生き抜くか。どう進化していくべきか。
世界のIT企業はどんな人材を求めているのか。
様々な角度から、エンジニアとしての生き方について語る、
プログラマー、SE必携の一冊。

※出版社からのコメント抜粋

 

エンジニアに限らず、今の日本社会全体を包む閉塞感が何故なのか?を書かれています。

そして、自分の人生が10年後、20年後にどうなっているのか?暗雲が立ち込めているのか?希望に満ちた輝いている人生なのか? それを決めるのは社会ではなく、自分自身である!自分の力で切り開いていこう!!というメッセージを強く受け取りました。

 

元気がない日本と言われている問題の根本は?

経済停滞

 

そもそも、日本経済は、高度経済成長期を過ぎて、元気がない。最近の若者には覇気がない。など言われていますが、根本的にどこに問題があるのでしょうか?

 

【日本の問題の根底】

戦後の高度経済成長の終焉〜成熟期に入って動脈硬化を起こした日本経済

 

まず、前提として、戦後の日本が何故あれだけ目覚ましい高度経済成長を遂げることができたのか?を知るところから。

 

戦後の日本の成長の鍵とは何だったのでしょうか?

3つの鍵が紹介されています。

 

①低い生活水準

②安い円

③第一次産業から第二次産業への労働人口のシフト

 

つまり、「低賃金で勤勉な労働者」を活用し、「安くて質の高い工業製品」を大量に輸出する、輸出大国として成長してきたのです。

それは、安い労働力に頼った成長戦略でした。

 

しかし、日本経済が成長するにつれて、成長の鍵の①と②が使えなくなってきます。

①低い生活水準 ➡︎生活水準の向上により、労働賃金の上昇

②安い円 ➡︎円高

日本が成長した故の必然なのですが、

安い労働力に頼った成長戦略が取れなくなってしまったのです。

更に追い討ちをかけているのが、

・少子化によって市場の元気がしぼんでいる

・40代、50代の会社経営上層部に、「自分が現役のうちに会社が潰れなければ良い」という、逃げ切りメンタリズムが蔓延してしまっている

・日本の大企業は潰してはいけない!人を解雇してはいけない!という観点から、

企業の新陳代謝を遅らせて、日本全体が動脈硬化に陥ってしまっている

 

が挙げられています。私は、今32歳で、会社経営者の方と経営についてお話をする機会はなかったので、逃げ切りメンタリズムについては正直分からないです。。

 

ですが、人を解雇してはいけないから、企業の新陳代謝が遅れているというのは、大きな企業に勤めていると実感するタイミングはあります。

全然働かないおじさんが高い給料をもらって悠々と会社に残っているのは腑に落ちない瞬間はありました。

 

忙しく仕事が舞い込んでくる部門がある一方で、あまり仕事がない部門でのんびり働いている人もいます。

これは、労働者の権利を守ろうという、昔ひどい労働環境で働かされていた方々の努力で得られた権利の賜物であり、単純に悪いことばかりではないと思いますが、国際的に競争力が落ちている要因の一つと言われると、納得してしまいます。

 

規模の小さな会社であれば、違う景色なのかもしれませんが、規模の大きな会社になればなるほど、仕方がないと思ってしまいます。。

 

日本企業の国際競争力が低いと言われるが・・・

弱肉強食

日本企業の国際競争力が低い要因の一つに、日本人の気質も大きく関係していると指摘されています。

日本人は、格差を嫌い、結果平等を好む性質が強いため、マッチョな国際市場で戦って負けてしまうとのことです。

個人的には、短所と長所は表裏一体ですので、格差を嫌い、結果平等を好む性質は日本人の長所でもあり、恥ずべきことではないように思います。

 

また、日本企業は、海外のベンチャー企業のような、ユーザーをあっと驚かせる商品を生み出しにくい構造であることも著者は指摘しています。

カタログスペック重視のもの作りになってしまいがちで、ユーザーへのおもてなしや、ライフスタイルへのインパクト重視のもの作りになっていないケースが多いとの指摘がありましたが、

こちらにつきまして、大手メーカーに勤めていた頃を思い出すと、確かにそうだった!と思ってしまいました。

営業から求められる要望は、他社カタログスペックと比べてどうだ?ばかり。。

そりゃ〜結果がはっきりと分からない、何を基準にして考えればいいの?という、ユーザーへのおもてなしや、ライフスタイルへのインパクトを売り文句にした開発は難しいし、上司を納得させるのも至難の技で、そんな挑戦的なことなかなかできないでしょう??と思ってしまいます。。

また、安全性をひたすら高めることや、コストを1円でも安くしたい!という所にもすごくフォーカスを当てた開発が多かったので、もはやそれだけで手一杯でした。

 

それは、ステージの違いであって、企業の大きさや、成熟具合で取り組むべき課題は違うので、これも仕方がないのではないか?

 

とつい思ってしまいますね。。

 

知識労働者として、替の効かない人材となれ!!

 

先ほどまでの課題にどう立ち向かっていくか!?

は、マッチョな方々に任せるとして(苦笑)

個人として、どんな気概で頑張るべきか?について触れさせていただきます。

 

社会情勢がどうなっていくのか?は相当経済に影響を与えることができる立場まで上り詰めた人でない限り、そこに悩むのは不毛なんじゃないかな?というのが私の考えです。

それよりも、自分個人について考えた時に、どうしていくべきか?を考える方が、今日から実践できるので、まずはそこから考えるのが良いのではないか?と思います。

 

個人につきまして、この本では、

自分のスキル・人材価値を高めて、替の効かない人材になりなさい!!と書かれています。

うん。その通りですね。

そして、そのためには、知識を身に付けることも大切であり、一度社会人になってから、再び勉強の場に飛び込むことはとても有意義である。

実際に著者の中島聡さんは、アメリカでMBA(経営学修士)を取得するためにワシントン大学のエグゼクティブMBAプログラムに参加して、MBAを取得されています。

 

レベルは違いますが、今私も会社を退職して、プログラミング技術を学ぶために、プログラミングスクールに通っています。

許されるならば、林業の専門学校にも通いたいとまで画策しています(笑)

 

何者になりたいんだ!?( ;∀;)

でも学ぶことの楽しさをここ1年間ぐらいで急に目覚めてしまった。。。汗

 

しかし、ただ知識量・記憶力を高めたらいいのではないのです。

今やネットですぐに知識を得ることができる時代なので、

知識だけではあまり人材価値は高まらない。

適応力・応用力を鍛えることが重要であると言及されています。

 

どうやって鍛えるか?は、日々考えるトレーニングを積むことと、実践の場で揉み続けることではないか?と私は思います。

0秒思考の、メモ書き術はとてもいいトレーニングになります。

私は毎朝5分間、メモ書きトレーニングをしています。本当は5枚書きたいのですが、未熟者なので、4枚しか書けないです。。でも確実に描く内容の濃さや捻り出す能力は向上してきていると感じています。

ちなみに、こちらの本についてオリラジのあっちゃんが紹介している動画が、マッキンゼー全開すぎてかなり面白いエンターテイメントなので、是非チェックしてみてください(笑)

 

IT系の転職において、ブログを書いていることはプラスに働く

 

最後に、そうなのか!?と嬉しくなったのは、ブログを実名で書いていることは、IT企業に転職するに当たって、メリットになる可能性が高い!とのことです。

著者の中島聡さんは、実際に採用する側も経験されており、その時にブログを参考材料として使って、ブログを書いている人のほうが、書いていない人よりも圧倒的に面接通過率が高かったらしいです。

 

その理由として、面接や履歴書という限られた材料でしか判断できない状況において、ブログをみればその人の人となりがとても良く分かるというのは勿論。

 

ブログを書くということは、レンガ職人に例えられており、ブログを描くと、頭の中が整理できることが一番のメリットとして挙げられています。

自分の頭の中に他の考えと混ざり合って混沌としている粘土状のアイデアや考えを、ブログエントリーという型に流し込んでから軽く焼きを入れてブロック状のレンガにして積み上げていく作業のようなものとおっしゃっています。

結果、自分の考えを人に説明することが得意になっていく。

まさしく、思考力のトレーニングが、ブログなのです。

おすすめは、週に3本程度の頻度で更新するのが良いと本書では書かれています。

 

まさしく、私がブログを始めたのも、人に何かを伝える力を鍛えたいという思いがあったので、ブログを始めました。

しかし、最近はプログラミング学習で目一杯になってしまっていてブログ更新が滞っていたのですが、この本を読んで、もう一度ブログを描くことを頑張っていこう!!

とやる気になりました。

せめて週一ペースではブログ更新できるように頑張ります!!

 

それでは、ご拝読ありがとうございました。

 

 

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こばけん

32才で大阪のメーカーを退職し、林業の世界に転職。 里山資源を活用した半林半Xな暮らしをするために地方移住。

林業が「自分の力で生きる」うえで最強だと思っている。 里山暮らしや林業の日常を発信しています♪

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