林業

【林業作業紹介②】下刈りってどんな作業?

2023年3月5日

林業ってどんな仕事をしているの?

林業を知らない方にも、分かりやすくご紹介します!

 

どうも、こばけん(@5884kentaです。

私は、2022年春から森林組合に転職し、造林育林班に所属しています。

一通り、造林育林で行う業務は経験しました。

林業ってどんな仕事をするのか?

第二弾は、「下刈り」についてご紹介します❗️

 

第一弾の植林はこちらの記事をご覧ください。

【林業作業紹介①】植林ってどんな作業?

林業ってどんな仕事をしているの? 林業を知らない方にも、分かりやすくご紹介します!   どうも、こばけん(@5884kenta)です。 私は、2022年春から森林組合に転職し、造林育林班に所 ...

続きを見る

 

下刈りとは?

下刈り

下刈りとは、植林して植えた苗木の成長を助けるために、苗の周りの草木を刈払機で刈り取る作業です。

 

下刈りのタイミング

資源循環イメージ

植林が終わってから苗木が大きくなるまでの5年間下刈りを行います。

林業の木を切る時期は冬がシーズンのため、夏に木の伐採作業はほとんどありません。

(木の伐採時期については地域の気候や林業の風習によって異なります)

 

そのため、夏の林業(造林・育林)はそのほとんどがこの下刈りをやっています。

 

下刈りの目的

下刈り

下刈りの目的は、植林した苗の成長を妨げる草を取り除くことです。

そして、立派な植林山になるためのお世話になります。

 

山には、植林した苗よりも成長スピードが速い草木がたくさん生えています。

そのため、下刈りをしないで放っておくと苗に光が当たらなくなったり、

ツルが巻きついて苗がうまく成長しないと言う問題が発生してしまいます。

そのため、苗が元気に成長するために下刈り作業を行うのです。

 

苗が周りの草木よりも背が高く、覆うような形になれば、この下刈り作業は終わりです。

それがだいたい5年だと言われています。

 

ちなみに、一年飛ばして下刈りをしなかった現場に入ったことがあるのですが、

苗よりも全然大きな栗の木に覆われていたり、ツルに絡め取られて曲がってしまったヒノキなど、

とても悲惨な状況になっていました。

 

下刈りの作業内容

下刈り

現在の下刈りの作業は刈払機を使います。

(昔は鎌でやっていたというから驚きです😲)

重機は一切使わず、人の手で行っています。

 

基本的に、苗は1.8メートルおきに植林しているので、

その間に生えている草や木を刈ることになります。

特に草が多く茂ったところでは、苗を見つけるのが大変です。

間違えて苗を刈ってしまうこともしばしば発生してしまいます。。

そのような事故を防ぐために、作業者は刈払機の方向やキックバックが起こらないように細心の注意を払いながら作業をしています。

 

下刈りの道具

笹刈刃

刈払機の刃には、いくつか種類があります。

私の班ではその中でも、よく切れる笹刈刃をつけて作業します。

笹刈刃はとても切れ味が良く、拳ぐらいの木も切ることができるのですが、

石など硬いものに刃が当たってしまうと、すぐに刃がボロボロになってしまいます。

 

ボロボロになった刃では全然切ることができません。

ですので毎日2回以上ヤスリで目立てします。

この目立ての上手い下手がとても重要であり、良い刃を作るには練習が必要です。

下刈りにおいて刃の切れ味は死活問題であり、

作業スピードのみならず、安全性や身体への負担も全然変わってきます。

「林業人は刃が命!」

目立ての技術はとても重要になります。

 

過酷な作業環境

下刈り

下刈りは林業作業の中でも、トップレベルでしんどい作業と言われています。

夏場の山には虫が多いです。

特に注意が必要なのが、スズメバチ

 

スズメバチは薮の中や、土の下に巣を作ります。

その巣があることに気づかず、刈払機で切ってしまうと、

集団で襲われて、最悪アナフィラキシーショックで死亡してしまう事故もあります。

 

私自身、あと数センチのところでスズメバチの巣を切ってしまいそうな体験がありました。

その時に、出てくるスズメバチと目があった時は最悪の恐怖でした。

一目散に走って逃げて、無事刺されずに済みました。

 

防虫ネットをヘルメットからかぶせる事は必須です。

万が一ハチが飛んできても顔をネットで守ることができます。

その他にも、このネットは刃から飛んできた木の破片などから顔を守る役目も果たします。

 

また、ダニも危険です。

ダニは血を吸うだけでなく、その唾液による感染症の発症の危険もあります。

ダニに刺されると、病院で手当てをしてもらう必要があります。

ダニに刺されないために、肌の露出が無いような服装で作業をしています。

また家に帰るとなるべく早くお風呂に入って体を洗い流しています。

(ダニの感染症について、厚生労働省HP

 

その他にも、1日中振動する刈払機を持つため、体に負荷がかかります。

ひどい場合は振動病になる人もいます。

(※林業の健康診断では振動病のチェックが毎回あります。)

それを防ぐためには、刈払機を強く持ちすぎないことや、ちゃんと切れる刃をつけること。

また適度に休憩を挟むことが大切です。

 

‥どうでしょう?けっこうハードですよね(笑)

休憩のトマト

でも、ハードな 労働環境の分、休憩中のトマトやスイカは最高の味がします。

特に体が塩分を欲しているので塩をかけて食べると最高です❗️

農家もやっている先輩がたまに差し入れしてくれます💓

ありがたや〜( ´∀`)

カイジばりに犯罪的にうまいです☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

 

それに加えて、空調服を着て作業すると、暑さがかなり軽減されます。

ハードですが、振り返ると苗の周りがスッキリして、とても達成感がある作業です‼️

 

それに、下刈りこそ一番山の世話をしている感じがします。

土壌・国土保全に貢献しているやりがいもあります。

泥臭い仕事ですが、かっこいい仕事です‼️

 

以上、下刈りについてレポートさせていただきました。

ありがとうございました。

 

次回の林業作業、“除伐”についてはこちらの記事をどうぞ( ^∀^)

こちらもCHECK

除伐
【林業作業紹介③】除伐ってどんな作業?

林業ってどんな仕事をしているの? 林業を知らない方にも、分かりやすくご紹介します!   どうも、こばけん(@5884kenta)です。 私は、2022年春から森林組合に転職し、造林育林班に所 ...

続きを見る

にほんブログ村 環境ブログ 里地里山へ
にほんブログ村 PVアクセスランキング にほんブログ村
  • この記事を書いた人
  • 最新記事

こばけん

32才で大阪のメーカーを退職し、林業の世界に転職。 里山資源を活用した半林半Xな暮らしをするために地方移住。

林業が「自分の力で生きる」うえで最強だと思っている。 里山暮らしや林業の日常を発信しています♪

プロフィールページへ

-林業