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設計開発業務@メーカー1〜業務内容紹介編〜

2021年8月14日

エンジニアかっこいい!こばけんです。

現在、メーカーに入社して9年目であり、昨年末までおよそ8年間設計開発に携わってきました。
その間に様々な喜びや苦しみがあり、その内容を紹介するとともに今の田舎へ移住したい!という気持ちに至った経緯をお伝えいたします。
今回の記事では、私がやっていた設計開発の仕事内容を紹介していきます。

設計開発ってオタクのような技術者がずっとパソコンの前でカタカタしてるイメージを持っていませんか?
実は、単独プレイではなく周りをうまく巻き込んでチームプレーで乗り越えていくことが大切。よほどのスーパーマンでない限り、自分一人の力で完璧を求めてしまうとプレッシャーで押しつぶされてしまうし、良い商品は作れないです。

メーカーで働く設計開発者の業務内容

設計開発の主な仕事は、新商品を世に産み出すために、商品のスペック決め~量産立ち上げまで携わります。メーカーにとって、核となるとても重要なポジションと言えます。

商品開発の主な流れをお伝えします。

◎商品のスペック決め

※関わる部門:営業部・品質管理部・原価企画部

営業からの要望や、過去の品質不具合などから、より良い商品に進化させるために検討するフェーズ。コスト検討も重要になります。

ここが開発のスタートであり、一番重要で楽しいフェーズです。各部門からの要求に答える際に、いかに最適バランスの解を導き出せるかが問われます。

商品開発で重要なことはQCDの3つを守ること。
Q=品質(Quality)
C=コスト(Cost)
D=納期(Delivery)

このQCDの3つを守れる商品スペック、開発納期、コストであるか検討し、判断する必要があります。すべてが100点満点ということはありません。例えば、品質向上のために新しい機能を追加したいが、そうすると納期とコストが合わないから諦める。など。。
この仕事はチーフやチームマネージャーが主体となって考えます。
ここで考えた通りに開発が完了したときの快感はたまりませんが、なかなかそうはいきません。
開発を進めていくうちに、思っていなかった課題にぶつかってしまうことがあるからです。
ここで課題抽出し、潰しこみがどこまでできているかで、その後の仕事の質が大きく変わってくるため、とても重要になってきます。

◎作図~試作

※関わる部門:要素G、デバイスG、調達部、試作職場、サプライヤ

商品スペックが決まれば、その形作りを進めていきます。一般的な設計開発の仕事はこのフェーズをイメージされるかと思います。
まずは、作図です。つまり図面を書きます。板金や樹脂成型品は自分たちで図面化します。その他の機能部品や制御ソフトの図面はその専門のグループの方に図面を書いてもらいます。そのために、我々は要求仕様書を提出します。
図面はチーフ・開発責任者に確認してもらい、照査承認してもらいます。

昔は手書きで書いていたらしいですが、今は3D-CADでパソコンで作成します。たまに昔の手書き図面を見ることがありますが、こんな緻密な作業をしていたのかと、恐ろしいです。

そして、図面が完成したら、試作して思惑通り組上げることができるか確認します。業者(サプライや)さんに発注し、試作職場の職人さんに組み立てを依頼することが基本ですが、自分で組み立てることも多々あります。
自分が作ったものが思惑通り組み立てれた時に喜びを感じます。
職人さんに、こんなん作れるかー!!と怒られる時もありますww

◎試験評価

※関わる部門:信頼性評価G
製品が組みあがったら、性能はスペックを満足しているか、運転振動や輸送衝撃に耐えれるか、過酷な運転をしても発火、漏電しないかなどを試験して確認します。
このフェーズで品質トラブルが市場で起こらないように危険な芽を摘み取ります。もしもその試験の中で不具合が発生したら、対策を考え、構造や制御の変更をし、再試作~再評価となります。ここで発生する手戻りが多ければ、リカバリーするためにどんどん激務になっていきます。

◎量産準備~立ち上げ

※関わる部門:営業、品質管理部、物流(SCM)、原価企画

試験評価が完了すれば、いよいよ量産にむけたフェーズになります。
このフェーズではカタログなどの販促資料作成以外は、基本的に設計の仕事はなく、他部門のフォローとなります。
物流で納期が間に合うか?品質管理部での初物検査で図面通りのものが納品されるか?など、、もしここで不具合があった場合に、設計がハンドリングして解決することになります。事前に作りこみがちゃんとできていて、計画通りの日程で進めれていれば特に問題は起きないのですが、たまにこのフェーズでも設計がドタバタしてしまうことがあります。。

以上が、設計開発の大まかな業務内容になります。
いかがでしたでしょうか。一つの商品を作り出すのに、けっこう多くの部門と連携していることが分かったと思います。そして、その部門の最上流に位置するのが設計開発であり、ここがしっかりと仕事しないと、他部門が動けなくなってしまいます。約束していた仕事の納期に遅れてしまうと他部門にご迷惑をかけてしまうのでプレッシャーは大きいです。さらに、他部門を動かすために人と人の繋がり・信頼関係がとても重要になってきます。信頼されていない設計者では他部門の人の動きは悪くなります。逆に信頼のある設計者は周りから頼りにされ、存在価値が認められていることが、やりがいに繋がっています。
プレッシャーがかかる分、やりがいや社会貢献を実感しやすい仕事だと思います。

次回ブログでは、がむしゃらに働いていた入社〜二人目の娘が産まれるまでの6年間について紹介します。

よろしくおねがいします。

ありがとうございました。

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こばけん

32才で大阪のメーカーを退職し、林業の世界に転職。 里山資源を活用した半林半Xな暮らしをするために地方移住。

林業が「自分の力で生きる」うえで最強だと思っている。 里山暮らしや林業の日常を発信しています♪

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