「上流の山を適切に管理することで、実は下流の集落の暮らしが守られるって知っていますか?」
私は森林・林業の分野で、「流域」を一つの単位として管理することがとても大切だと思っています。
今回は、流域と森林管理の関係についてお話ししたいと思います。
どうも、こばけんです!
私は今、一つの小さな川の流域の森林管理を頑張りたいと思っています。
それは、広さが200ha程度の小さな流域になります。
私が、なぜ流域に拘りたいと思ったのか?その背景をご紹介します。
流域とは?ー水が作る自然の区分

流域(YAMAP流域地図 HPより引用)
まずは、流域とはどういった概念なのか?そこからご説明します。
「流域」とは、雨水が集まり、ひとつの川へと流れ込む大地のエリアを指します。
例えば、山に降った雨が地面にしみ込み、やがて湧き水となって川へ流れるように、
すべての水は必ずどこかの川に向かって流れていきます。
この「水が集まる範囲」こそが流域です。
私たちが暮らす大地も例外ではありません。
町や村、田畑や森も、すべて流域の一部。
地球上のほぼすべての場所は、流域という視点でとらえることができるのです。
一般的に私たちは、都道府県や市町村といった行政区分で地域を考えがちです。
しかし、流域は人間が決めた境界ではなく、水の流れが生み出す自然の区分です。
そのため、流域をひとつのまとまりとして見ることは、生態系の単位を理解するうえでも重要になります。
つまり、流域は単なる地形の分類ではなく、水と森と人がつながる「生命圏の区分」ともいえるのです。
登山アプリで有名なYAMAPさんも、流域思考に着目しており、イメージしやすい流域地図をリリースされています。
流域全体をひとつの生態系として捉えた森林管理
森林は、ただ木を育てるだけの場所ではありません。
健全な森は、ふかふかの土で、豊かな土壌を育み、
綺麗な水が大地に染み込み地下水として集落においしい水を提供してくれます。
流域全体のバランスを考えながら管理することが、
その流域の下流にある集落の安全につながります。
たとえば、適切な間伐や森林の手入れを行うことで、
- 土砂災害や洪水被害を防ぎ、川の流れを安定させる
- 豊かな水を蓄え、持続的な水源を守る
- 多様な生き物が共存する健全な森を育む
こうした役割を果たすことができるのです。
逆に言うと、流域の中のどこか一部だけでも、
乱暴な伐採や山を崩すような道作りをしてしまうと、
その下流の集落の人の安心・安全な暮らしは脅かされます。
つまり、集落の暮らしと、その上流に存在する流域は、運命共同体なのです!
だから、この流域に山を所有している山主さんは、ビジョンを一致団結させ、
健全な森づくりに理解を示し、行動していく必要があると私は考えています。
集落の安心・安全な暮らしを支えるために
私は、小さな流域の森林管理を担う覚悟で、森林の集約化、団地化に挑みたいと思っています。
それは、単に山を守ることではなく、この地域で暮らす人々の安全や安心を守ることにつながるからです。
「地域の未来を守るために、山と向き合う。
この想いを持って林業・森林管理に取り組む必要があると思っています。
でも、実際には流域全体の山主さんの意思を統一して森林管理に臨むことは簡単ではないです。
これから、いくつもの難関にぶつかっていくと思います。。
簡単ではない挑戦ですが、私はこの道を歩み続けます。
どうぞ、これからも応援よろしくお願いします!
流域思考について、こちらの本を読んだのですが、流域を考えることについて詳しく書かれているので、
おすすめです👍