林業ってどんな仕事をしているの?
林業を知らない方にも、分かりやすくご紹介します!
どうも、こばけん(@5884kenta)です。
私は、2022年春から森林組合に転職し、造林育林班に所属しています。
一通り、造林育林で行う業務は経験しました。
林業ってどんな仕事をするのか?大きく分けると、6種類作業があります。
第一弾は、「植林」についてご紹介します❗️
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植林とは?
植林とは、端的にいうと、木の苗を山に植える作業です。
林野庁では、約50年サイクルの森林資源の循環利用を推奨しています。
「植えて、育てて、伐って、使う」をグルグルと回していくイメージです。
このやり方では、伐って収穫するステージを「主伐」と言いますが、
基本的に主伐で山の木を全部伐って搬出します。なので、山は丸裸になります。
丸裸になった山を放置すると、土砂崩れや水源涵養能力の低下などのデメリットが多々あります。
それに、木材生産の観点からも、再び山に木を植えて将来の収入源に育てることが望ましいです。
植える本数
平均的には、1ha当たり3,000本の苗木を植えます。
間隔でいうと、1.8m毎に植えます。
苗木のうちはスカスカに思いますが、木が10年も成長すると、ギチギチに混み合います。
それは、密集して育てることで木同士の競争を促し、まっすぐに目が詰まった良質な木を育てるためです。
この密度は、「間伐」といった間引き作業が前提として考えられています。
つまり、人間が植林した山は人間の手入れが必要な設計なのです。
だから、間伐などの手入れを行わなくなった山は、暗くて木もひょろひょろで山の崩壊にもつながるのです。
人の手が入った山は純粋な自然ではありません。2次的自然です。
ペットも人が飼ったら最後まで責任をもって面倒を見る必要がありますよね?
それと同じような責任が人口林にも発生しているのです。
また「間伐」については別のブログでご紹介します。
植林に使う道具
植林は、全部手作業!!まさしく泥臭い作業(笑)
手に持つ装備は、苗袋とクワと測量用の棒だけです!
けっこうシンプル♪
植林の樹種は現場によって様々ですが、最近は補助金が混植(二種類以上の苗を混ぜて植える)しないと出ないらしく、
複数の種類の苗を植えることが多くなっています。
岡山県はヒノキの生産量が日本一であり、ヒノキの植林が多いです。
苗は、安いので100円、高価な苗で200円ぐらいの値段です( ^ω^ )
植林作業の様子
苗袋には苗をパンパンに詰めて背負いながら作業します。
だいたい50本を背負って、残り50本を現場近くに置いておきます。
午前中に100本で、1日で合計200本植えるのが新米の目標です!
※熟練者は300本も植えられます!僕にはまだまだ無理だ‥
この苗袋は、左下横部分にスリットがはいっており、そこから手をつっこんで苗を抜き取ることができる構造です。
授乳服みたいだな〜と個人的には思っています(笑)←共感してくれる人いるかな?(^◇^;)
植林するときに何が一番しんどいかというと、穴を掘る作業です(笑)
山には木の根っこが残っていたり、落ち葉が堆積したコタと呼ばれる表層が敷き詰められており、
それをかき分けてやっとこさ土が見えるのです!
そして、苗木が倒れないようにしっかりと穴を掘って、そこに苗を差し込みます!
ちなみに、この穴を掘る作業は簡易バージョンとしっかりバージョンがあります(笑)
簡易バージョンのことを「ひとクワ植え」といいます。
その名の通り、ズボッとクワを刺してそこに植えるのです。スピードはすごく早いです!
しっかりバージョンは「丁寧植え」といいます。
直径30センチぐらいの大きな穴を掘って植えます。
一応、丁寧植えが推奨されており、活着率(生存率)も良いようです。
僕は丁寧植えを心がけて植えています!!
そして、苗を差し込んだ穴に土だけを戻して踏み固めます。
注意点は、コタは土とは違うのでなるべく入らないようにします。
この踏み固めが甘いと、風や雪で苗が倒れてしまい、枯れてしまいますので、めいいっぱい踏み込みます!
このような作業を行なって、植林は完了です。
植林にかかる費用は?
再造林は、植林だけで終わりではありません。その他にも地ごしらえ、下刈り、除伐や間伐などがあります。
全部トータルすると1ha当たり180万円かかります。(※林野庁業務資料より抜粋)
植林に関わる費用でいいますと、苗木代が36万円。植付け作業費が27万円です。
この値段は高いのでしょうか?
立木販売収入は96万円です。
現在は木の価格が低く、販売収入よりも造林初期費用のほうが倍も高い状況になってしまっています。
なので、補助金で赤字を補填してなんとか自転車操業をしている状況なのです。
辛い‥( ;∀;)
低迷する再造林率
だから、木を主伐で全部伐った後に植林(再造林)をしないというのが大きな問題になっています。
今は再造林率3〜4割しか行われていないのです。
つまり6〜7割の森林は伐りっぱなしの禿山のまま。。
これは由々しき事態なので、造林コストを低減させたり、販売価格の向上のための対策を国も頑張ってはいるのですが、
なかなか難しい状況です。
こちらは、何年生の人口林が分布しているのかを昭和41年(黄緑色)と平成29年(緑色)で比較したものです。
※齢級は、5年の幅でくくった単位。
こちらを見ると、戦後(昭和41年)には一斉に拡大造林したので、10年生以下の人口林だらけでした。
ですが、その人口林が50年生を超えてきているのですが、逆に若い人口林が殆どないのが現状です。
このままでは、将来的に使える木(一般的に50年生以上が木材として利用できる)が無くなってしまいます。
だから、植林して造林することがとても大切なのです!!
植林をしなかったら、前述した通り土砂崩れや水源涵養能力の低下と、
私たちの生活を脅かす災害が発生してしまいます。
なので、林業が再び活気付いて日本の山々が森林で溢れる状況にするためにも、
我々林業従事者が踏ん張って植林を頑張る必要があるのです!!
明るい未来を信じて、頑張っていきます٩( 'ω' )و
ご拝読ありがとうございました🙇♂️
次回ブログでは、「下草刈り」についてご紹介していきますので、よろしくお願いします。
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